おりがみの魅力について

折り紙は日本の幼稚園や小学校の教室でもよく使われますが、とてもシンプルで簡単なものから芸術的な作品まで、実にさまざまな形を作ることができます。しかも必要なのは正方形の紙のみ!小さい子供から本格的なアーティストにまで、幅広く楽しまれています。

 

私が折り紙をよく子供たちのアクティビティとして用いるのには、いくつか理由があります。

まず、折り紙は指先も目も頭もよく使うので、教育現場でよく用いられる「ハンズオン・アクティビティ(hands-on activity)」にもってこいです。「ハンズオン・アクティビティ」というのは、実際に何かに触ったりして手を動かしながら物事を学ぶことでその刺激と学習内容が結びついて頭にちゃんと残りやすい、ということを利用した学習方法のことです。たとえば、海の生き物について子供たちに話す時、「海の生き物はみんな泳ぎやすいように流線形のかたちをしていて、ひれやそれに似た構造を持っている」という話をした後、折り紙でクジラやペンギン、魚などを折って水族館を作ろう!というアクティビティをすれば、折り紙を折りながらそれぞれの動物の似た特徴(例えばクジラのひれとペンギンの手)や違う特徴(クジラの口とペンギンのくちばしなど)を考えながら、子供たちそれぞれの中で理解を深めることができます。

それに、折り紙は小さな子供でも色々な形に折ることができるので、子供の想像力を育てます。何かの形になるように先を読みながら形を折っていくことで先を読む力や想像力も身に着きますし、さらに折り紙は対称性や角度の概念など、数学的思考も刺激します。

たとえば、適当に四角い紙を折っていたら偶然できた形が「犬の顔みたい!」とひらめいたり、逆に「犬の顔を作るにはどこをどう折ればいいかな・・」と考えながら作っていくことで、犬という生き物を観察してその形を表現することに繋がっていきます。

 

そして私が折り紙を多用する最大の理由は、折り紙は何か紙さえあればいつでもどこでもできるという点です。たとえば電車を待っている間に駅でもらった広告紙を折ったり、レストランで注文が来るのを待っている間にナプキンを折ったり、ポケットに入っているレシートでも折り紙はできます。

もし手持ちの紙が正方形ではなかったら、以下の図のように余分な部分を折り、その折り目を親指と中指の爪で挟んでこすって傷をつけると、はさみを使わずに簡単に指で直線に紙を切ることができます。

私の信じる教育上のルール、それは 

 

  トピック x 楽しい気持ち = より良い学習。


折り紙はただの紙工作ではなく、使い方次第ですごく効率的な教育ツールにもなります。折り紙作家山口真さんの言葉を借りて、「いつでも、どこでも、だれでも」をモットーに、皆さんも子供たちと楽しく折り紙をしましょう。 

 

 

 

FNQ ジャパンウィーク 折り紙文化紹介ビデオ

日本の文化を紹介する1週間の動画シリーズの一環で、折り紙の芸術性を紹介する動画を作成しました。


 

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